今回は、プラモデルでも多く採用されているABS素材について、塗装する際の注意点も含め解説していきます。
ABS素材とは?
ABS素材とは、ポリスチレンにアクリロニトリル、ブタジエンを化学的に結合することで、耐衝撃性を改良した素材です。
メリットとして、用途に合わせて柔軟に加工できる、外部からの衝撃に強いという点があります。
反面、耐候性が低く劣化しやすい、有機溶剤に弱い(ガンダムマーカーなどの塗料)といったデメリットもあります。
ガンプラでは、特に10年以上前のキットの内部フレームに多く採用されています。
ガンプラでABS素材を見分ける方法
ガンプラでABS素材かどうかの見分け方として、説明書の付属ランナー欄を見るという方法があります。
このページを見ればどのランナーにどの材質が使われているのかが分かります。
塗装する際の注意点
塗装する際の注意点として、組み立てた後から塗装しないことです。
ABS素材のパーツは、組み立てた後に塗装するとヒビが入り割れます。
こちらが腰回りが割れた時の写真です。
直接塗装していなくても他の場所から塗料が流れ込み、崩れるように割れます。
メカニズムとして、
①組み立てた時の負荷によりパーツにわずかなヒビが入る
②パーツに塗料を塗ることで塗料がヒビに侵食する
③ヒビに塗料が侵食することで劣化してパーツが割れる
といった感じです。
ABS素材でも塗装する事は可能ですが、その場合以下の4つを注意して下さい。
①パーツを組み立てる前に塗装する
②塗装した後はしっかり乾燥するまで待つ
③細かく可動する関節パーツは極力塗装しない
④事前にプライマー塗装を行う
この4つを守れば、破損するリスクを減らすことができます。
まとめ
以上、ABS素材についての紹介でした。
最近のキットはKPS(強化ポリスチレン)が採用される事が多くなりましたが、過去キットの再販品やガンダムベース限定のカラーバリエーションキットにはABSが採用されている場合があるので、パーツ素材の確認はしっかり行って下さい。